揮手自茲去

もう一つの夢は心の中に。

爲憐幽獨人 流光散衣襟

 記事の題は眞山民「山中の月」より、タイトルにしておいて勝手だが特に内容は関係ない五篇、僕は古人と同じく月に憧れたり美しさを想いはしても、古人たちのように仲良くすることはできないのだから。国語力が低いのによく、こういった恥ずかしいものを公然に晒し出せるものだと自身のモラル崩壊に感心しているが、何らかの形で昨今の自分の心の記憶を残しておきたいと願い欲することは理解して頂けると信じている(どうせ物好き以外は誰も読んでいない)

 

立ち込める霧の中を突き抜け夜道に出る

道を進んでいくと寂しく漂う小さな霧に出会い

それはこの世に帰ってきた死者の霊にも見える

上を見上げてみると今日の空は透けていながらも

底の見えない黒さが広がっていた

飲み込まれるような黒、唯々黒であった

この日、夜は神秘的で美しいものだと改めて感じた

 

夜空に佇む月を人は掴めない

雲すら掴めない あの黒い天井は近くにあるようで限りなく遠い

月は時折近づいてくる 月は嘗て私の前に大きな姿を見せた

私は手を伸ばすが 月は無慈悲に離れていく

月はまた遠くへ 私は再び月が訪れる日を待ち続けた

しかし月は二度と 私の前にやってくることはなかった

 

君は月が綺麗なのは遠くより見ているからと言いましたが

たとえそこに数々の傷が付いていても

幾つもの穴が空いていたとしても

私の目から見えるあの月は綺麗でした

今も私の目に見えている月は変わらず綺麗です

 

彩られた月は決して手に届かぬ星

だからこそ憧れたり求めたりするのかもしれません

果たしてあの月には天使が住んでいるのでしょうか

手に届かぬ月を眺めては 翼を以て羽ばたくことを夢見る

 

遥かな月よ 汝の地に降り立つ望みは叶わぬが

願わくば 汝が雲に隠れることなく 深淵に消え去ることもなく

夜空に雲と共に在り続けることを 天道の迎えが来る時まで

朧げな其の姿を歌いながら 盃を頂く無礼をお許しください

See her how she flies
Golden sails across the sky
Close enough to touch
But careful if you try
Though she looks as warm as gold
The moon’s a harsh mistress
The moon can be so cold

彼女がどのように空を舞うかご覧なさい
空に跨るあの金の帆は 手が届きそうな程に近づいている
しかし、お気を付けください
その親切に満ちた暖かさに 貴方が触れようとすれば
月は無慈悲な夜の女王 彼女はとても冷たくなってしまう

 

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