揮手自茲去

もう一つの夢は心の中に。

私は、ある夢の中を歩いていた。

 ある幻想、というより理想を夢見ていたが、所詮は夢でしかない。夢は夢のまま終わりを迎え、壊れかけたパソコンの前で喧しい送風を聞きながら時間を浪費する現実に強制送還される年の暮れ、恥や罪悪感というのが年末にピークになるとも思わず、忘年の必要性を今になって只管感じている。

 多くの文脈をここで語る必要はない。また過ちを繰り返してしまったということだ。この世界ではタイムリープという魔法は存在しない。先日、我が国と隣国が不可逆的な合意をしたが、私の起こした粗相も不可逆的に未来の私を拘束し、その結果は現実に遍く撒布される。

 人間というのは変わろうとしても簡単には変われず、過ちの後には抑えつける努力をするものの、年月が経ちすっかり忘れた頃になって潜在していた特性は顕在し、何もかも打ち壊しにしてしまう。しかし、これは生まれて以来の私の枷である。十字架と結びつけてはイエスに失礼であるが、僕も背負っているものと真剣に向き合わなくてはならないのだと、心に刺さった剣、自分自身から生じた凶器を抜かずに見つめて只悩む。

 

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