揮手自茲去

もう一つの夢は心の中に。

打倒を伴わない、もう一つの道

 為政者がたとえ愚かだったとしても、その天下が暫く継続すると分かっているのであれば、為政者を不用意に煽り、暴走を加速させるのではなく、為政者と取引をすることによって何かを守る、そういう人々が主流になれとは言わないが、幾らか存在できないものだろうか。

 自由主義と民主主義の為に行動をしていたつもりが、結果的に自由主義でも民主主義でもない勢力・政党の台頭を許すことになる。そういう結末に対する懸念が私の中では存在するので、昨今の運動の実態と、非を飲み込み無批判的に参加することを迫る風潮、そして参加なくば批判の資格なしという狂信的な現場至上主義に対して極めて否定的な認識を抱いている。

 何かを守る為の行動で、その守る対象の絞首を速めるような事態に至らないことを願うばかりである。 アラブの春は我々に夢を与えてくれたのかもしれないが、暖かな春のあとに諸国へ訪れた大嵐を思い出してほしい。