揮手自茲去

もう一つの夢は心の中に。

ポエム国家群

 ヴィタディア -新しきを取り入れる港町の奥では、古きものを守り続ける山が聳え立つ。

 フィーナレ -それは終わりの地、我らの信ずる神は西方で死に、東方に於いて再び生まれ変わる。我らは疲れし神を癒す供応者なり。

 リヴァーリエ -「夢」を追い求め、冒険と堕落に葛藤する今や儚き理想の地。

 トッカティア -より速く、即興的に生きる、且つ技巧的に。明日のために、今日はより速く。

 パストラル -無名で構わない、我らはモダンを好かず。私たちは田園で、羊飼いに率いられる羊の如く生きる運命なのです。

 エントラクト -よく考えてみなさい。私達は所詮、国と国に挟まれた緩衝地帯です。結局のところ、私達は他国の歴史を紡ぐ間奏的な存在にしか過ぎません。

 レミニセンス -緑閃光を放つ太陽のように、衰退した我らも今最後の輝きを世界に放つ。いずれ忘れられていく運命ならばせめて、あなたの追憶に残る存在となりましょう。

 おかしな文章ではあるが、枯れ果てて何かを失くしてしまった僕には、今や書けない懐かしい言葉である。