揮手自茲去

もう一つの夢は心の中に。

無意味な詩編

過去に呟いた「夢」に関する、ポエマーを気取った誰かさんの記録、紛失を望まない故に転載したのだから愛着は残っているのだろう。

「現実から離れた、まさに夢のような夢をまだ見ることができるわけであるが、やがて私はそのような夢を見ることができなくなり、夢の中でも現実に追われる日が来るのだろうか。安息の地に於いてすら、生きるのを辞めるまで安息を得られない日々に生きねばならないのか。」

「夢の通る道、その道はとても荒くて細く、躓き転げ落ちる者も少なくない。それなのに彼らは進み続ける。その傍ら私は踏み出せずにただ佇んで眺めていた。私は道に立つも動けず、やがて後ろの者に押されるように退けられて道を明け渡した。私はまだ彼らを眺め続ける。」

「落ちた夢を拾い、棄てた夢を拾い、そうして拾う度に「拾い人」は悲しくなります。幼き頃は誰しもが持っていた憧れ、大志、そういったものをヒトというのは、大人になると邪魔ものにしてしまうのです。誰かが落としてしまい、誰かが棄ててしまったその夢達、もしかすると叶えられたかもしれません。」

「目が覚めて一時間も経てば、夢の中での出来事は忘れてしまう。しかし、一週間後に再び夢を見て起きた時、私は一週間前のあの夢をほんの一時、思い出しているのだ。それだけではなく、あの夢と共に一ヶ月前、一年前、数年前に見た夢も何故か覚えているのだ。」

「私の床を築いてくれた君へ。自ら社会に溶ける道を選び、個の輝きを失った君を眺めながら、まるで君の捨てた夢を拾ったかのように振る舞う私を嘲笑し給え。私は君を追いかけようとしたが、それが望まれないことは知っていた、だから道を変えた。しかしコンパスは未だに君が基準である。嘆かわしい。」

「夢を求めて、ただ彷徨う者あり。かつて落とした夢の欠片を探して、地図にも描かれていない荒野をひたすら、まだ見ぬそしてまだ知らぬ宛先を求めて、ただ彷徨うは孤独な旅人なり。」

「失われた夢を求めて今日も旅する者あり、人は彼を夢人と呼ぶ。」

「夢というものは語れば儚くなり、語らねば忘却の彼方に去る。」

 

 

いくら年を重ねても時たま痛々しいことをしてしまうのは、まだ僕が未熟だからだろう。一年前の書き込みを見ただけで今の僕と一年前の僕の違いは「昔の僕はなんて恥ずかしいことを書いているんだ。」と思う形で実感できるし、恐らく一年後の僕は、今の僕に「なんて恥ずかしい行為をしているんだ」と思うに違いない。

その連鎖は果てなく続く。終わった時には、もうこの世にいないのだから。